テストの点数を親に教えない子供たち
黄金名は生計のため、英語中心の学習塾を経営している。
そこで、気付くのだが、テストの結果を親に伝えない子供が増えている。
よく点数があがって、良かったですねとお母さんにつたえると、それを知らないことが多い。
では、何故子供たちは、点数を親に見せないのだろうか?
食費、住居費、衣服費、水道光熱費はもちろん、学校関係の経費、そして塾代、など、全て親の負担で子供は生活している。
当然、学校へ行けるのも、親のお蔭なのだから、その成果である、テストの結果を親に見せるのは当然ではないか?
その理由は、母親が叱りすぎているからではないか。
怒られたり、怒鳴られたりすれば、人はそれを避けたいと思うし、子供も同様だろう。
したがって、成績の悪い時、叱ってばかりでは、子供の心は萎縮し、困難を避けたいと思うようになるだろう。
ある中学生の生徒が、理科の通信簿が「1」だったことがある。
親から相談を受けた黄金名のアドバイスだが、
「取ってしまったものは、どうしようもない。
これ以上は下がらないのだから、自信をもって2を目指すよう、話して欲しい」
絶対に「何やってんだ!恥ずかしいと思わないのか!みっともない」
のような、罵声を浴びせないように、頼んだ。
この母親は黄金名の助言に納得してくれ、打ち合わせの通り、子供と話し合い、次の学期では2に上がった。
英語は黄金名が教えているから「5」だったので、2年後の入試は、それほどの難関高校ではないが、本人が望んだ学校に入れ、めでたしとなった。
司馬遼太郎の「竜馬がゆく」に黄金名が、影響を受けた一節があるので、紹介したい。
文庫版、第三巻360ページ
「ところで、竜馬どの」
お田鶴さまは、さきほどから気づいていてわざと質問しなかったことをきいた。
「お腰のものは、どうなされたのです」
「火事場でわすれましてな」
「武士の魂を置きわすれるとは、竜馬どのもこまったのでございますね」
竜馬は、むっと不快な顔をした。この男にはめずらしいことである。
「怒ったの?」
「・・・・・・・・」
(ひとが気にしていることを、おっかぶせるようなやつは、おれはきらいだ)
口に出せば、そうどなりそうなふくれっ面である。
以上
お田鶴さまは、坂本家の主筋にあたる家の当主の妹。竜馬があこがれている女性である。多分、架空の人物だろう。
そう、その人が悪いとおもっているのに、叱ったり、嫌味をいうのはよくない。
竜馬がゆくのこの場面、黄金名は多くを学んだ。
さて、話をもどすと、成績が悪いことをしかるばかりでは、前進しない。
とにかく、成績がどうであっても、親が子を愛する気持ちに変わりはないことをつたえる。
だから、悪いなりにその結果を共有して、次にそなえればいいと思う。
じゃ、また明日。
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